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酒と共に去りぬ(1)
「とりあえずの乾杯はビールでなく焼酎で――。焼酎王国・鹿児島県のいちき串木野市が6日、
『本格焼酎による乾杯を推進する条例案』を市議会に出した」(朝日新聞DIGITALより)
tommyrot=管理人です。かれこれ10年ほど前に義祖父の法事があり、
初めて九州は熊本県に行ったのですが、その酒席で驚いたことがあります。
男性は言わずもがな、女性陣ものっけの乾杯から焼酎を注文したのです。
ほぼ全員、しかも銘柄指定!
「とりあえず」といえばパブロフの犬的に「ビール!」と答える私には、
大げさでなくカルチャーショックでした。日本は広いぞと(違うか・笑)。
そんな私に「最近、ビールもまあオイシイかな、と思ってきたわ」とのたまふ、1人の女性。
しかしあくまで「たまには飲んでやってもいいかな」的扱いであり、
格付け的には焼酎よりも遥か〜に下、という意味合いが強烈に伝わってきました。
大分県出身だった大学時代の(および焼酎の)恩師も言っておりましたが、
九州人にとって焼酎は「誇るべき文化」であり、彼らの「アイデンティティ」と言ってもいい。
曰く、美味い飲み方は「お湯割り」それも「ロクヨン(6:4)」。
70℃ぐらいのお湯を「必ず先に」入れるべし・・・などなどこだわりも強いようです。
驚きその2。宴のさなか、前左右の人たちが自分のグラスのフチを掌で拭って差し出してきます。
意味が分からず戸惑っていると、その人とグラスを共有する(回し飲み)ということでした。
同席した人たちは、みな仲間。連帯感・絆の象徴のような、なんともアツい習慣です。
チバラギ県民の私にとって、東京に追随しない地域ゆえの豊かで自由な酒文化は、
とても気持ちの良い味わいであり、羨ましくもありました。
ただし、この地のルールでは回されたグラスは基本断れない(笑・返盃はOK)。
完全なアウェーで、飲みのペースはメチャクチャ。回されるほどに酔いは回り、
久しぶりに記憶を喪失、食事も取れないほどの二日酔いを味わいました。
(以上、回想終わり)
焼酎県・鹿児島からの意外なニュース。
彼の地といえども若者の焼酎離れが進んでいるのでしょうか。
だとしたら(己の貧しい文化性を棚に上げて言うならば)、何となく寂しい気がしますね〜。
見失わないよう大人買いした、私の「自己同一性」
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